音楽理論の理解と鍵盤とMIDIキーボードの話。

スポンサーリンク
https://info.shimamura.co.jp/piano/list/img/uploads/yachiyo/20160617-s-imperialkenban1.jpg
この記事は 1224 くらいで読めます。

シンセじゃなくてキーボードの話のようです、ミナヅキです。
私、そんなに弾けるというわけではないですが、まったく弾けないという事でもないようです。

なぜこんな話をしているかといいますと、DTMを通した繋がりのあるブロガーがこういった記事を投げており「ふーむ」と思うところがあったので記事を立ててみようかと思った次第でして。

鍵盤弾けなくても25鍵ではなく61鍵MIDIキーボードを導入した3つの理由 | ありんこ書房

古今東西の鍵盤が弾けないDTMerの皆様、いかがお過ごしでしょうか。
無用の長物になるから、とMIDIキーボードを導入せずに頑張っていらっしゃる方も多いかと思いますが、個人的には弾けなくてもMIDI鍵盤があると捗るよ、というのは主張したいポイントです。
(参考記事: 鍵盤が全く弾けないDTMerがMIDIキーボードを持つことによる3つのメリットと1つの真意“)
鍵盤弾けなくても25鍵ではなく61鍵MIDIキーボードを導入した3つの理由 | ありんこ書房

まぁ私は上でも書いたとおり全く弾けないDTMerではないのですが…。

やっぱり61鍵盤使っていました。

最初はKORGのnanoKEY2と画像に映っているKORG POLY-800を使ってDTMの作業をしていました。
その後に画像のシンセラック下段のKORG MS2000を導入したりしまして。

ところがこの3オクターブ前後の鍵盤、自分の使途には少しだけ鍵盤が足りなかったのです。
その後家電製品店で売っているような安価なキーボードを導入した後にKORGのMicroArrangerを導入しました。

下段ですね。
MicroArrangerに関しては私が必要とする要件を概ね満たしていたのでとても満足のいくシンセサイザーでした。
シンセサイザーというかアレンジャーキーボードというのが正しいようですが。

楽器は音が出ないとね。 でも書いたことがありましたが
・パソコンを起動してDAWを立ち上げなくても音が確認できる
・内部信号で完結するのでレイテンシが無い
・スピーカーがついてるからアンプも必要ない
・左手で3和音コードを押さえて、右手でメロディを確認できる鍵盤数
という、割とMIDIキーボードにプラスアルファしたような機材でした。
とても使いやすかったです。

楽器は音が出ないとね。 | シロクロスカイ
この記事は 3分48秒 くらいで読めます。 元DTMerのミナヅキです。 最近忙してさっぱりですが、たまーに家電量販店に行って電子ピアノやキーボードの鍵盤をつついて遊んだりしています。 元々はDTMや作曲というよりはシン...

3オクターブ、おおよそ49鍵盤程度ですと、具体的にいうと鳥の詩を左手コードで弾きながらメロディを弾こうとしたときにちょっと鍵盤が被るんですよね。
コードを代用するとか下に下にと持っていけるだけの技術があれば回避できるんでしょうけれども、そこまでじゃなかったので安直に鍵盤が多いほうがいいな、と。

(朝ぱっと起きてすぐにピアノの音聴きたくなったりとかしません?(変
数秒で起動して満足するまで弾いたらさっと電源消せるんですよね。パソコン立ち上げたりしなくていいんです。

ちょっとだけ弾けます。


「How?」 | 矢井田瞳 のピアノコード | 楽器.me  

実はミナヅキ、DTM以前に従兄弟が持っていたキーボードが身近にあり、それを借りてきて部屋でゲッカヨ誌を見ながら巻末のコード一覧で確認しながら「左手コード右手メロディ」をある程度弾けるくらいになるまで練習しました。
中学生の頃だったかな、高校生の頃だったかな。
教本があるわけでもなくほぼ独学でしたが、それでも多少弾けるくらいにはなりました。

DTMとは別に、こうした下地があったので割と鍵盤とはちょっとだけ近かったのかなと感じます。
MicroArrangerが手元に来てからはコード進行を掲載している弾き語りサイトなどをタブレットPCで表示しながらポロポロ弾いて遊んでいました。
それこそ、高校生の頃に弾いていたような浜崎あゆみだったり矢井田瞳とかですが。
(MicroArrangerはコードを押さえると伴奏を行ってくれるモードがあります。楽しいです。

鍵盤が音楽理論の理解の助けになります。

ぶっちゃけてしまうとDAWに打ち込みながらでもできるんですけど、指と耳で覚えちゃうほうが身につくような気がします。
王道進行やスケールの理解にも鍵盤を叩きながらのほうが実感しやすいですし、その都度打ち込む必要がないんですよね。

コード弾きでの進行も白玉4小節~とかで始めると理論がわかってなくても「こことここを押さえてからこっち叩くとそれなりにいい響きでつながる」とかそういう感じの感覚的な理解から入ってもいいと思うんですよね。

ピアノの鍵盤自体がある程度の音楽理論上でのフォーマットに沿ったものなので、ある程度のルールにしたがって弾けば一定の枠の中に収まるようになっているとも言えます。
とりあえずCメジャーあたり、白鍵だけでもなんとなく曲になるっていう気づきとかあると面白いと思うんですよね。

確かこの曲、白鍵だけで作ってたと思います。
イントロの下降していくコード4音が確か
「Fから降りて白鍵コードだけでアンバーでアンニュイかつ綺麗な音で着地すんじゃん!」
という発見だけが製作のきっかけになっていました。
実際にアンバーでアンニュイな響きになっているかはわかりませんが…。

これは理論を知っていたとかではなく、単純に鍵盤を叩いて遊んでいたときに気づいたものだったので、MS2000つまりMIDIキーボードが無ければ製作されなかった曲だったのだろうなと感じます。

鍵盤の数が発想のボトルネック。

さて、61鍵盤のMicroArrangerを手元に置いて、ピアノの音で遊んでいたミナヅキはある日ある事に気が付きます。
「あれ、なんかOrukana君のピアノって重いな?」
自分の曲のピアノで低音域まで使っていない事に気が付きました。

【ミクdark&IA】children's song【オリジナル】 - niconico
「ニコニコ動画」は音楽・お笑い・アニメ・ゲームなどの動画再生中にコメントを付けて楽しむ動画コミュニティサイトです

ピアノの音作りそのものが違うという事もあるのですが、自分の手元のMicroArrangerで低音域を使っていないという事もまた事実でした。
その音域を意識して使うには、また相反するようではあるのですが、無意識のうちに手が伸びるためにはそこにトランスポーズ操作を必要としない物理的な鍵盤が必要なのではないかと感じました。

つまるところ、意識しなければ手元の機材に合わせた曲になりがちなのではないのかな?という話です。

25鍵盤のキーボードを使っていると頻繁にトランスポーズをしてみようという意識がなければ、目の前にある25鍵盤の音域の中から思考が脱出していかないという可能性がそこに存在するわけです。
更に言えば「次の運指で跳躍する準備としてトランスポーズ操作を意識しなければならない」という状態そのものがボトルネックではないかと。
跳躍するかしないかの手前にトランスポーズをするかどうかの決定というワンステップが直感的な打鍵の妨げになっているのではないかと。

これが私の場合は61鍵盤で適度に上まで音が鳴り、弾き語りするにも不足のない鍵盤数が故にトランスポーズが必要なあと1オクターブ下の事をすっかり忘れていたといえるのです。

ピアノが一番広い音域を持つ楽器だよ。

一般的にピアノは88鍵盤と言われています。
88鍵盤もあれば鍵盤の数が発想の妨げになることはおそらくないであろうと言えますし、なんならこういった楽曲の例も出てきます。

88鍵ピアノフォルテの最高音と最低音を打鍵することにより幕を開けるピアノ協奏曲第1番「蠍火」は、Virkatoが残した二曲だか三曲だかのピアノ協奏曲の中でも、その標題から見受けられるように「ほんとうのさいわいとはなんだらうね」などというやっかいな命題に感化されていた時期の作であり、他の協奏曲に比べ楽曲的には陰鬱で演奏法的には険悪な様相を全面に呈している。
ピアノ協奏曲第1番“蠍火” | mixiコミュニティ

記憶が確かならばサウンドトラックのライナーノーツでの解説の一文だったと思うのですが、この蠍火という曲の第一声が88鍵盤の最低音(A0)と最高音(C8)で始まる曲なのです。


もともとはゲーム音楽です。界隈では有名ですよね…
とちってるとはいえ何故弾ける…

余談。

88鍵もあれば発想の妨げにはならないと言いましたが、2オクターブしかないからその中だけで曲にしてみようというアプローチもありました。
やはり音ゲーですが。

キーマニのゲームデバイスは2オクターブ分の鍵盤となっていますので、
氏はそのゲーム性を考え、ピアノが全て2オクターブに収まるよう作曲しています。
そう聞くと「音域や展開を抑えて作ったのかな」などと考えてしまいますが、
聴いてみると大幅な展開や転調が幾度も大胆に行われており、
そういった「遠慮」的なものは全く感じさせません。どうやって作ったのか…
【km】Carezza / Osamu Kubota : 音ゲーのこと。


当時の音ゲー音楽に詳しい人であればこの経緯は一つの逸話として覚えていたりするのですが、さすがに古いです。
ちなみに完全に2オクターブの中に収まっているかというと最高音1音だけはみ出していたはずです。

実際に必要な鍵盤数は?

オーケストラやポップスの演奏などで使用される一般的な楽器や人間の声(コーラス)など、GMで使用できる音色の音域です。
楽器と音域の一覧

やはりこうして並べてみるとピアノの88鍵盤が最も広い音域を持つようです。一般的には。
自分がDTMをやっていく上での発想の手助けになるツールとしてMIDIキーボードを選ぶ場合、ピアノの音色(おんしょく)で自由に端から端まで叩いてみたいというのであればやはり88鍵盤という選択肢は理想的と言えるのかもしれません。
しかしながら88鍵盤フルサイズともなると設置スペースもそれなりの広さを要します。
モニターの前に置いて作業したい人もいるでしょうし、ガシガシ弾いてレコーディングするでもなければむしろ邪魔なくらいかもしれません。

そういった意味でも私が使っていたMicroArrangerのミニ鍵盤61キーは程よいサイズだったように思います。
実際には左手でコードを押さえて音の確認をして、右手でマウスを操作したりしていたので、モニターが乗っている机に対して直角にシンセスタンドを設置していましたが。

散らかってますので小サムネで勘弁を…w

ガシガシ演奏するのでもなければミニ鍵盤でもいいと思います。
個人の好みにも依るかとは思うのですが、ミニ鍵盤だと1オクターブ、例えばドから上のドを越えて上のミくらいまで押さえられます。
これ結構ぼんやり音の確認をしながらコードやボイシングをやってるときの自由度が高くて発想の手助けになったりします。

氏家先生もKORGのミニ鍵盤は意外と扱いやすいと言っていました。


この動画ですと7:30くらいでミニ鍵盤の話をしています。
(恒例のMicroArrangerが欲しくなる動画

やっぱりおすすめは61鍵盤だと思います。

このように鍵盤は多いほうがいいという前提から自分の環境にあわせた最大限のサイズを選択する方向で考えていいと思います。
そうすると
・邪魔にならなければ88鍵盤
・両手で弾ける61鍵盤
・両手コードボイシングが出来るギリギリかな49鍵盤
・打ち込み用と割り切るべきかな25鍵盤
くらいの見積もりでいいと思うのですよね。

別にここでは弾けるか弾けないかを考えなくてもいいと思います。
鍵盤というものは面白いもので、触り慣れてくると徐々に指が動くようになってきますし。
今弾けなくても将来的に3音コード+メロディくらいは弾けるようになるかもしれません。

まぁ鍵盤やコードは「一覧を見ながら覚えよう!」というよりは「好きな曲をコードだけでも弾いてみたい」というとっかかりからのほうが熱が入るかと思います。
好きな曲のコードが弾けるようになったら今度はそこから別のメロディをあてがってみるという遊び方も出来ますし、それが自作曲のきっかけになったというシンガーソングライターの話も結構耳にします。矢井田瞳だとか。

まぁ理論とか考えなくても曲にはなります。

厳密に言えば、聴いて違和感がないのはどこかの理論に上手く収まっている というべきなのかもしれませんが、鍵盤をガシガシやって遊んでればこういう感じのものが出来たりとかします。


4つ打ちドラムを雑に打ち込んで、それに合わせてピアノの音色(おんしょく)などでコードを色々試して、気に入った音になったらそれをスコアロールに並べて…というのを繰り返していくと音楽になります。
そこにストリングスを上から弾いて入力した感じです。

で、これを下書きにして膨らませていくと一曲出来上がったりします。


上でも書いていますが、私の場合はおおよそ鍵盤を弾いて遊んでいるところから曲になりそうな雰囲気を拾い上げて作っていたので、強い製作衝動や目的はありませんでしたが、それでも曲が組み上がる感覚は楽しかったなぁと思い出せます。
(相応にしんどかったりもしましたが…主にミックス作業でw

このMelody Of Myselfに関してはほとんどのパートを鍵盤を弾いて作っていました。
ピアノのバッキングもナイロンギターのアルペジオもソロも、リードシンセもシンセプラックも、音色を作ったら鍵盤で数パターン弾き倒してみて気に入ったテイクをピアノロールに貼り付けて…という繰り返しで作っています。


あとこっちもですね。
Synth1で音色を作って鍵盤を叩きながら作って、初版オリジナルは3日くらいで完成させました。
ミックスボロボロでしたけどね…

「金曜日締め切りコンピ」
=Friday Deadline Compilation=
この、俺達の曲を!
間に合わなかったあの曲を!
(締切りに追われて作っている)この曲を!

皆に聞いて欲しいんだ!!!!!!
全61曲、CD4枚の、超大型コンピレーション・アルバム!
M3-2013秋 G05a,b Sakura Recordz!
イベント頒布価格:500 JPY
全61曲、CD4枚で送る超短納期コンピレーション「金曜日締め切りコンピ」/Sakura Recordz!

これのDISC3 Tr.7に収録されました。そりゃ荒くても3日で仕上げますよ…

で、この曲もシンセアルペジオからピアノ、シンセリードまで大体弾いて作ってます。
なにか思惑があっての指運びとかじゃなく、その場でのアドリブでしか作っていないので、自分で作った曲なのに自分で弾けないんですよねー(笑

いや、練習したことないんです、自分の曲。
練習すれば弾けそうですけどね、自分で弾いて作ってるので…

ちなみにこの曲はコード進行自体はうたたPことt.komine氏のストラトスフィアのコード進行から貰っています。


DTMを始めたばかりの頃にこの曲を擦り切れるまで聴いたので、やはりそこそこ弾けるようになりたいなと耳コピしようとしたことがありまして。


とまぁ思いっきり脱線していますが、制作環境にMIDIキーボードがあって手が馴染んでくると音楽って割と理論とかを意識しなくとも簡単に出てくるようになりますよ、多分。
それが名曲になるかどうかは別として、ですが。

これは、MIDIキーボード(厳密にはアレンジャーキーボード)を中心としたDTMをやっていた私なりの感覚では、ありますが。

ねこふんじゃったが弾ければ上等だと思います。

私は弾けないんですけどねー。

あれだって、鍵盤に指を乗せると無意識のうちに弾いてしまうという人が多いようですが、鍵盤の運びや左手の動きなどをちゃんと見るといろんな音楽理論で解説出来ると思うんですよね。
そこから現代のコード作曲の手法として拾い上げれば、ねこふんじゃったをベースにしてアレンジを考えたりとか、短調にして弾いてみるとか練習や理解のきっかけになりえます。

要するに、MIDIキーボードがあると頭でする理解とは別に体や指先、耳や感覚などでの作曲が行えるようになるという事だと思います。
弾けなくても、そこそこの、61鍵盤以上のMIDIキーボードはあったほうがいいと思います。
(それに楽器はリセールバリュー高いですからねーw

ということで。

冒頭で紹介したブログの蟻坂さんが「鍵盤がまったく弾けない人」の視点から61鍵盤をオススメしていましたが、私ミナヅキは「左手で3音コード押さえながら右手でメロディを弾ける程度の人」の視点から、やはり61鍵盤をオススメしてみました。

いや、個人的にはMIDIキーボードも色々あって中には3万クラスのものもあるのですが、そこまで出すなら音源とスピーカー付いてくるスタンドアロンで綺麗な音が聴けるMicroArrangerが一番いいと思うんですけどね(しつこい

ちなみにフルサイズ鍵盤61キーのPa900というものもありますが…

うわ、たっけぇ…

おまけ

今回のアイキャッチ画像の、鍵盤が黒いピアノはベーゼンドルファーというメーカーのモデル290インペリアルというピアノで、低音側に拡張されていて97鍵盤あるそうです。
上で88鍵盤ピアノが一番音域広いと何度も書きましたが、実は97鍵盤ピアノっていう代物があったという話です。なかなか知る機会はないと思いますが、ねぇ。