「Bluetoothオーディオは遅い」に対する新規格。

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Bluetooth aptX HD
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ヘッドフォンしてると蒸れますね、ミナヅキです。

この季節、移動中に音楽を聴くにしても制作をするにしてもヘッドフォンは耳まわりの不快感を伴います。
まして、有線のヘッドフォンだと汗ばんだ肌にくっついたりして、暑さと相まってイライラ感が。

「無線にしたい!そうだBluetoothヘッドフォンってよさそう!」

これって実は聴くだけならそんなに気にしなくてもいいのですが、制作しているときには無理でした。
なぜならBluetoothヘッドフォン、もう少し詳しくいうと、Bluetoothオーディオの転送速度が遅いからなんです。

今日はその「遅いBluetoothオーディオ」の新しい規格のお話。

技術というものは、なかなか進歩しないようでいて、もしくはすっかり忘れ去られた規格がゴロゴロとしている中で、ある日ポッと新規格が発表されたりします。
既存の技術や規格の開発は常にされているのですが、何かしらのブレイクスルーが無ければ実用に至らないなど理由は様々です。

レイテンシー?

さて、音楽の制作をする場合において「Bluetoothオーディオの転送速度が遅い」ということのデメリットですが、DTM経験がある方はすぐにピンと来たかもしれません。

「オーディオレイテンシー」と言われているもので、この数値が小さいほど機器やシステムとして優れているとされます。

レイテンシーとは、データーの処理に伴う発音の「遅延」です。主にオーディオの再生、録音において発生します。
コンピューターで音楽制作をする際に一般的に起こりえる現象であり、Steinberg製品、ヤマハ製品に限ったことではありません。
レイテンシーは単位「ms(ミリ秒)」で表現されます。1000ms=1秒です。
その数値はコンピューターの性能や、制作しているプロジェクトから反映されるコンピューター内部の負荷に依拠します。
【Steinberg共通】レイテンシーとは何ですか? – ヤマハ

レイテンシーそのものはコンピュータのサウンドドライバやCPUの処理能力などに左右される数字でして、一般的なDTMでの制作でもつねに付きまとう数字です。

様々なシーンでこのレイテンシーを意識する場面に遭遇しますが、例えばMIDIキーボードの鍵盤を叩いてから、実際に耳に届くまでのほんの1秒にも満たない短い時間、ここでレイテンシーが大きいと、音を確認しながらの演奏でどんどんずんずんもつれていきます。

コンピュータを経由しない、楽器から直接出る音はこういったレイテンシーというものはありません。

手元にシンセサイザーもしくはMIDIキーボードがある人であればレイテンシーを体感できるかと思います。
DAWからの発音とシンセのLINE OUTからの発音でのズレを確認するとLINE OUTから出たオーディオ信号がスピーカーを鳴らすほうがずっと早いです。

オーディオインターフェースの導入でレイテンシーはグッと抑えられます。

選択肢としてのBluetoothヘッドフォン?

ここまではDTMにおけるオーディオレイテンシーのケースを挙げてきましたが、これらと似たようなことがBluetoothオーディオでも発生します。

ただし、繰り返しになりますが、基本的には音楽を再生して聴いているだけであれば意識することはありません。

AppleのiPadがリリースされてからはや数年、iPadの性能も向上し多くの音楽制作アプリが普及しています。中には有名なDAWのiOS版などもあり、ちょっとするとiPad一台あれば曲を完パケまでできてしまうほどのアプリ環境とハードウェア環境が整ってきました。

こういうのとか。KORGはiOS関連デバイス頑張ってます。

そんなiPadをはじめとするモバイル機器での音楽制作、出先で作業が出来るのがメリットなのですが、外でヘッドフォンやイヤフォンのケーブルはやはり煩わしいものです。

そこで必然的に無線のヘッドフォン/イヤフォンという選択肢が出てくるのですが、現実的な選択肢としてはほぼBluetooth方式一択かと思います。
赤外線などもあるにはあるんですけれども…

持ち歩くには苦しい…

でもBluetoothヘッドフォンじゃ制作出来ない。

オーディオレイテンシーが少ないiPadでもまったく発音の遅延が起きないわけではありませんし、WindowsタブレットやAndroidタブレットではタッチスクリーンの鍵盤をつつきながらのリアルタイム演奏は曲芸と言えるほど難しいレベルです。

そのハードウェア側のレイテンシーに加え、Bluetoothヘッドフォンのレイテンシーが加わると、神の啓示を待つかのような遅延が発生します。
鍵盤を叩いてから一瞬、空(くう)を見つめます。(大げさ)

これは自分でも経験したからこそ記事のネタに出来ているのですが、最初そのBluetoothオーディオのレイテンシーを意識せずに打ち込みをしていて、リアルタイム入力をしようとした瞬間に「なんだこれは」となり、しばらく設定やシンセのアタック値を確認してまわり、それでも解決せずに、BTイヤホンの接続を解除してスピーカーで鳴らしたら「あぁ…」と。

結局は有線最強って事でした。

物好き向けDJモニタ。結構好きです。愛用品です。

BTオーディオの新規格「aptX」と「aptX HD」



Qualcommは1月のCESで、新しいBluetoothオーディオの圧縮コーデックとして「aptX HD」を発表した。aptX HDは、Qualcommが買収したCSRが提供してきたBluetoothオーディオの圧縮コーデックとなる「aptX」のハイレゾ版と位置位置付けられる技術で、従来16bitだった量子化ビット数が24bitに強化されているのが最大の特徴ととなる。
【笠原一輝のユビキタス情報局】Windows 10も標準で対応しているaptXをハイレゾ化する「aptX HD」 – PC Watch

aptXのもう1つの特徴は、SBCやAACに比べて低遅延であると大島氏は説明する。「aptXではSBCなどに比べて小さなワード単位に分割して転送する。このため、遅延がベストケースで70ms程度と小さくなる」(大島氏)と言う。
Bluetoothオーディオは、Bluetoothのパケットに分割してデータとして乗せられてソースからシンクへと転送するが、その時にデータが送られてからシンク側で復号されて再生されるまでの時間を遅延と呼んでいる。大島氏によれば、SBCでは200~300ms、AACに至っては800~1,000ms近くの遅延が発生するという。

つまり、従来の規格の遅延、レイテンシと比べると字のごとく桁が違う転送速度を実現できているようです。

40ms以下という低遅延が実現されている。これにより、例えば動画やドラマを再生していると、俳優のセリフと口がずれる現象など、従来のBluetoothスピーカーやヘッドフォンなどで指摘されていた課題を避けられる。
そうしたaptXのハイレゾ対応版がaptX HDになる。大島氏によれば「44.1KHz/16bitだったaptXを、44.1KHz/24bitに拡張したコーデックがaptX HDになる」とのこと。

仮に40ms前後のレイテンシーにまで抑えられたとしても制作に使うには厳しいかもしれませんが、それでも環境や機材によっては「以前の規格よりは使える」という数字になったかもしれません。
少なくとも空を仰いで神の啓示を待つことはなくなりそうです。

BTヘッドフォンとなった途端にOA屋さんが強いです。そんな中のDENON。

ちなみにこちらのデノンのヘッドフォンはaptX Low Latency対応ですが、このaptX Low Latencyの遅延を実測したブログ記事がありました。

真aptX Low Latencyを試してみる
Bluetoothにありがちな音声の遅延を軽減させるという"aptX Low Latency"。 先日購入 した"LBT-TVOH03ABK"では、その効果を体感することはできませんでした。 このままではどうにも釈然としないので、もう少し追試してみることに。漠然と、ではありま...

その結果がこちら。遅延時間はなんと29ms。これこそが”aptX Low Latency”の真の実力といえるでしょう。

この数値を達成するためにはレシーバー側も対応する機器で揃える必要がありますが、40ms以下ということでaptX HD並の遅延に抑えられているようです。

端末のオーディオレイテンシーを測定してみよう!

今回の記事を書くにあたって調べ物をしている最中に見つけました。やっぱGigazine。

00-top_m[1]
00-top_m[1]

スマートフォンやタブレットに限らず、デジタル音声信号を扱うデバイスには多かれ少なかれ必ず「レイテンシー」と呼ばれる信号の遅延が発生しています。そんなレイテンシーを測定できるアプリが「Audio Latency Test App」で、これを使った70種類以上にもおよぶデバイスのランキングが発表されています。
スマホやタブレットの「オーディオレイテンシー」性能ランキングと自分でも可能な測定方法 – GIGAZINE

iPad Air恐るべしですね。

よくよく考えたら安いですよね、iPad。


記事中に今はやりのHDという単語がありました。いろんなところで使われてますがよい機会なので確認しておきましょう。

HDとは|ハイデフィニション|ハイデフ|1280×720|High Definition – 意味/定義 : IT用語辞典

Definitionだけでも「(レンズ・録音・テレビなどの)鮮明度、精細度」という意味合いらしいので映像的もしくは視覚的なものに使われる言葉なのでしょうけれども、もはやHDという言葉そのものが広い分野で使われているようです。

Xbox360もリリース時の広告で「ハイデフハイデフ」と連呼していましたね。聴き慣れない単語も連呼されると耳目に染み付きます。

これでXbox360も分解できる!