「傷物語 II 熱血篇」を観てきたぞ。

スポンサーリンク
DAKARA
この記事は 711 くらいで読めます。

数年ぶりに映画館に行ってきました、ミナヅキです。
あ、嘘ですねこれ、今年の頭にも映画館行ってますね。
やっぱり「傷物語 I 鉄血篇」なんですけれども。

続きモノの2部目ということで、しかも上映時間が69分と短めですが、テレビシリーズ同様気負わずに視聴できる作品となっていると思います。

なんていうんですかね、今作があってのテレビシリーズなのですが、テレビシリーズを一通り観てきたからこそ楽しめる作品に仕上がっているんじゃないかと感じました。

物語の始まりの物語。

テレビシリーズを含めて、この傷物語は時間軸でみると最も最初の、すべての始まりとなる部分のお話になります。
故に、主人公である阿良々木 暦(あららぎ こよみ)にとっても「(おそらく)変哲のない普通の日常から不思議な世界へ踏み込むことになった最も変化のあったエピソード」とも言えるのではないでしょうか。

傷物語以降の主人公は、傷物語での経験や体験を自分の中で多少消化したあとでのスタンスになっているので幾分落ちつくことが出来ているのかもしれません。

その、突如非日常に突き落とされた主人公の葛藤と信念を描いているエピソードと言えるでしょう。

ヒロインとの出会い。

物語シリーズでは後に大物ヒロイン(いろんな意味で)の戦場ヶ原ひたぎが主人公の恋人となりますが、傷物語はその大物ヒロイン(いろんな意味で)と出会う以前のエピソードともいえます。

テレビシリーズでは一番最初の放送にあたる「化物語」の時点で、すでに「いることが普通」であるかのような振る舞いで主人公と会話をするヒロイン・羽川 翼(はねかわ つばさ)が描かれています。
その後も羽川 翼にスポットをあてたエピソード(猫関係)なども語られますが、それはあくまでも怪異を通した物語で、すでに成立してしまっている立ち位置や距離感、相手との関係性などはそれぞれの言動やセリフから断片的に読み取って知るに留まるものでした。

この傷物語では「その部分」、つまり二人の関係性や信頼感を積み上げていく過程が描かれます。
これがまた非常に、青春ドラマそのもののやりとりではあるのですが、フォーマットはいつもの西尾維新のそれであり、また羽川 翼というヒロイン及び阿良々木 暦という主人公を形作る…まぁそのパンティの話だとか胸の話だとかが唐突に織り込まれてくるわけです(笑)

おおよそ高校生らしいといえばそうなのかもしれませんが、変に歯痒い言い回しをされるよりはこちらのほうがずっと健全なやり取りをしているようにも思えなくもありません。
ある意味ではそういったやりとりをしあえる距離感というものは、それなりに相手の事を知り、どの程度のジョークや下ネタを織り込めるかがわかっていなければならないので、あの時点ですでにお互いがお互いの気持ちの中に踏み込めているとも、それをお互いに許しあえているとも捉えられる描写なのかなと考えられます。

テレビシリーズでは羽川 翼が、阿良々木君の恋人となる戦場ヶ原ひたぎと、盟友というか良き友達というか恋のライバルというような距離感で接していますが、「どの程度の想いであるか」が今作で明確に描かれています。
これを見た後にテレビシリーズでの羽川 翼の振る舞いを思い返すとなかなかに味のある、いや、それまでに上手く散りばめられてきたピースがここでピッタリと結びつくような印象すら覚えるような感覚でした。
「そっか、そうだよな、そうじゃなきゃあんな事出来ないし、言えないもんな」という感じです。
言葉では明かしていない、でもふとした瞬間の迷いやためらい、本人だけが知っているそういった気持ちがセリフの裏側で明かされることとなります。
あ、君が知らない物語って感じですね。

化物語ED曲。

心の支え。

上でも書いたように、主人公である阿良々木 暦にとって、何もかもが初めての体験です。
吸血鬼の存在やそれらをまとめて「怪異」として呼び、扱う事。またそれを狩るヴァンパイアハンターの存在、そして怪異の専門家。

突然、非日常の世界に蹴落とされたような状態の青年は、それまでの人生の経験がまったくといっていいほど役に立たず、不安や焦りから疑心暗鬼になり周囲の人間に半ば八つ当たりのように接します。
それをたしなめるのが、怪異の専門家である忍野 メメという存在です。

公開挨拶の記事でも触れられていましたが、そのシーンはとても包容力のあるものになっていたと感じました。
専門家である以前に、人生の先輩である…とでも言えばいいのでしょうか。

劇場アニメ「傷物語」の舞台あいさつに神谷浩史、櫻井孝宏ら アフレコは原作とのニュアンスの違いに悩み
音楽を担当した神前暁さん、プロデューサーの久保田光俊さんも登壇しました。

舞台あいさつには主人公・阿良々木暦役の神谷浩史さんをはじめ、忍野メメ役の櫻井孝宏さん、音楽を担当した神前暁さん、同アニメのプロデューサーであり、アニメを制作したシャフトの代表取締役でもある久保田光俊さんが登壇。完成した映像を見ての感想や、制作の裏話などが語られました。
劇場アニメ「傷物語」の舞台あいさつに神谷浩史、櫻井孝宏ら アフレコは原作とのニュアンスの違いに悩み – ねとらぼ

事前にこの記事を読んでいたからか、そのシーンは実にわかりやすく、わかりやすいが故にとても味わい深く響くセリフとして聞こえました。
テレビシリーズ後半では姿を見せなくなった忍野 メメという一見うさんくさいキャラクターを、阿良々木君が信頼するに至ったであろう言葉の一つと見ることが出来るかもしれません。
個人的に忍野さん好きなので、余計に、ですね。

基本的に、優しい人なんですよね、この人。
ちゃんと叱ってくれる「大人」でもあります。

御馴染みのキャラクターの掘り下げ。

このように、物語シリーズでは中核を構成していた、見慣れていた主要メンバーを改めて掘り下げるという事が行われています。
むしろ、テレビシリーズではそれがないままなんとなく視聴者だけすこし遠い位置からそれらのやり取りを見せられていたという感覚がどこかにあったのかもしれません。
「春休みの出来事だ」という言葉だけでほとんど済ませられてしまっていましたからね。

なので、すでに愛着のあるキャラクターを今改めて掘り下げるという行為は、順序が逆転しているが故になかなか体験できる事ではなく、これも作品公開順序の妙が成功していると言えるのかもしれません。

いや、しかし、眷属となった阿良々木君の能力とは、おそらくテレビシリーズのそれよりも遥かに強力であろうと思われます。
それもやはりテレビシリーズとは違うものを目にすることになります。

そのほかいろいろ。

本編に関しては1度しか見てないので覚えている限りの印象を書いてきましたが、本編以外の部分について。

イオンモール併設のTOHOシネマズでの視聴だったのですが、上映直前にセブンアンドアイホールディングスのCMが流され、周辺が一瞬ざわっと(笑
そりゃ上映作品のスポンサーと映画館を併設している商業施設は直接には関係ないにしても、ちょっと笑っちゃう部分でした。

エンドロールではエンディングテーマの作詞がいつものmeg rockの人でした。
ホントどんな歌詞でも書けるように見えてすごいなぁといつも感心します。

日向めぐみ – Wikipedia

本編終了後、とてもコーラが飲みたくなりました。
また、ダカラという商品名も露骨にでます。
エンドロールで日本コカコーラあたりのクレジットでもありそうだなと思ったのですが、それはさすがにないようでした。

クレジットで気になった点と言えばもう一つ、ここ最近何かと話題になる「面白法人カヤック」の文字です。
一体どこにどういう関与をしているのか非常に気になっていたのですが、調べてみると物語シリーズの公式サイトの製作などに関わっているのですね。

映画『傷物語』の世界観をサイトで再現
西尾維新による大人気小説、〈物語〉シリーズ「傷物語」がⅠ鉄血篇」、Ⅱ熱血篇」、Ⅲ冷血篇 の全3部作として映画化されます。公式サイトの実装をカヤックで担当しました。画面全体を使ったキャラクター紹介や、作中の演出も意識したUIのあしらいで、作品の世界観に没入できるサイトになっています。
傷物語公式サイト | 面白法人カヤック

面白法人カヤックってこういう仕事してるんですね!
あの面接の記事や広告で知ったクチなので、イメージとしてはこれであり、ここまでだったんですよね…(笑)

面白法人カヤック「就職活動との全面対決」を宣言 - イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」
学生にとっても企業にとっても悩ましい就職活動。学生側の負担も大きければ、企業側に求められる要望も大きくなってきている昨今、ライターのヨッピーが現役美大生ながらクリエイターとして活躍する「チョーヒカル」さん、「ハヤカワ五味」さんに理想の就活を聞いてきました。

まぁ、まぁ、さすがに傷物語の感想と離れるネタになるのであんまり掘り下げる話題ではないですが。

まとめ。

傷物語2作目となった今回、「起承転結」で行けば、「承」が「転」に転がりだしたかな?というところで一度幕引きとなったような印象でした。
前回は「起」そのもので状況説明と登場人物の顔あわせでうっすらとしたまま終わってしまった感覚が残ったので、今回の満足感は前回よりも大きかったように思えます。

どうしても続きモノなので、前回の上映を視聴していない人には新規での視聴は勧めづらい部分もありますが、テレビシリーズの作品が好きだった人にはやはり楽しめる内容だったように感じます。
というかここを見ておかないとテレビシリーズのピースが欠けたままになってしまって、もったいないかなという感想が残ります。

前作はすでにDVD/Blu-rayでリリースされていますので、今からでも予習して映画館に足を運ぶということも出来ます。
最近ディスク化早いですよね。びっくりします。

まだ限定版が入手できるようですね。

ファンの方は是非とも劇場でご覧ください。
「それはそれでヘンタイだよね」というセリフで笑ったあなた、そのスジのヘンタイさんですね?

傷物語公式サイト
全ての〈物語〉はここから始まる—― 西尾維新による原作小説「傷物語」を、「Ⅰ鉄血篇」、「Ⅱ熱血篇」、「Ⅲ冷血篇」の全三部作として映像化。『〈物語〉シリーズ』、『魔法少女まどか☆マギカ』の総監督新房昭之とシャフトが送る、『化物語』で描かれた“怪異の物語”の原点がここに。

「傷物語」公式サイト – 〈物語〉シリーズ

続き。

「傷物語 III 冷血篇」を観てきたというだけの話をする記事。
まるまる1年越しとなりましたね、ミナヅキです。 先日の日曜日に映画館まで「傷物語」の3部目となる冷血篇を観に行ってまいりました。 いやはや、物語シリーズのアニメ化1作目、2009年(!?)から追ってきて2017年の今、ようやく傷物語が終わりました。 ここまでくると感慨深すぎて泣けてくるほどです。