どうも、世間は4月ですね。
ミナヅキです、いかがおすごされでせうか。
実はここ数日、3月の20日くらいから春休みと称して記事書きをほっぽってゲームやってました(笑
Subnautica(サブノーティカ)というゲームなんですが、昨日無事クリアしたのでその感想を綴ってみたいと思います。
あ、ネタバレとか配慮しませんが、多分気にする人はいないと思います…(笑

もくじ。
海洋サバイバル + クラフト系?
教えていただきました。
ミナヅキ、実はMinecraftが好きで結構な期間やってた事がありました。
DTM用の、音楽作るために組んだ自作PCにグラフィックボードを挿すとあら不思議…ゲームマシンになっちゃうんですよね。
で、そんなわけで、一人称視点のサンドボックス系のサバイバルゲームがないかとツイッターでぼやいていたところ、フォロワさんが教えてくれたのがこの作品でした。
このフォロワさん、Steamで面白いレビューするキュレーターなのでSteamでゲーム買ったりしてる人は見かけた事があるかもしれません…。

空腹や自然と戦うって意味のサバイバルだと、3DならThe Long Dark, 2DならDon’t Starveとかは疲れないしハズれないと思います(ホラーじゃないし)。ただこの二作は建築要素が弱いので、建築もがんがんやりたいなら対抗馬はSubnauticaとかですね
— 玉咲遥香(たまさきはるか)@ゲームは1日30時間 (@tamagotaso) 2019年3月21日
ということで色々おすすめいただいたゲームのスクリーンショットやトレイラーをみてSubnauticaを購入してみました。
ざっくりとしたあらすじ。
任務のため企業の宇宙船オーロラ号に乗り合わせて航行中の主人公。
ところがとある未開の惑星付近にさしかかったところで宇宙船は突如原因不明の大破、墜落をしてしまう。
幸いにも脱出ポッドで難を逃れた乗組員たちはその惑星に不時着。
意識が回復した主人公が脱出ポッドから這い出して目にした光景は炎上するオーロラ号。
あたり一帯は果てしなく海が広がるばかり。
脱出ポッドには生存に必要最低限な機器が備え付けられており、端末には非常時のサバイバルマニュアルが用意されている。
未知の惑星であろうとも、今生きているという状況だけは何度考えたって変わらない。
他の乗組員の動向も気になる。
勇気を出して海に飛び込んでみよう…。
そして生きてこの惑星から帰ろう。
というような感じでしょうか。
当然未知の惑星なので、そこに存在する生態系や生物、植物も独特なものばかりですが、なんとか食用に出来る物が多いのが救いでしたね(笑
しかし端末のAIは未知の感染症などの可能性を指摘したりもするので気は抜けないわけです。
主人公が乗った脱出ポッドが着水した海域は浅瀬の珊瑚礁のような場所だったので助かっていますが、無線通信機を修理してみると届く救難信号は不穏なものばかり。
こういった感じで無線通信や置き去りにされた端末の情報を集めながら、探索範囲を広げ、開発出来る機器を増やしながら、海の底に徐々に潜っていき、この惑星の秘密に触れるという内容になっています。
マインクラフト系か?
違うと思います。
探索をして資源を採取してまわり、拠点を拡大強化していくという点では似ているように思えますが、まずボクセルサンドボックスではないです。
製品版では地形を弄る事は基本的に出来ませんし、拠点となる建築物などもあらかじめ用意された形が決まっている部品を組み合わせて作っていく形式です。
レビューなどでも割と引き合いや喩えとしてマインクラフトの名称が出てきますし、やった経験がある人も多く、クラフト系ゲームの代名詞としても認知度が高いので仕方ない部分もありますが、だいぶ違うと思うんですよね。
Subnauticaは固定マップですし、固定マップだからこそ出来るしっかりしたストーリーが存在しますし。
どちらかというとメトロイドプライムな感じ。
ゲームクリアしてみて感じたのですが、このSubnauticaという作品、任天堂のメトロイドシリーズのFPSシリーズ、メトロイドプライムの影響を多分に受けているような印象を感じました。
細かな設定というかゲーム感というか、なにかこう、色々と思い出させる物があるんですよね。
例えばSubnauticaではスキャナという手持ちの機器でオブジェクトやアーティファクト、生物などをスキャンして端末のデータベースで解説が読めたり、シナリオが進んだりするのですが、この辺だけをみてもメトロイドプライムと似たような作法だなと感じさせられるわけです。
プロパルションキャノンの掴んで離す動作はサムスのグラップリングビームを彷彿させたり、グラップリングという部分ではプラウンスーツの拡張アームにそのまんま移動用のものが出てきたりします。
そうじゃなくても第一印象として、未知の惑星、未開の惑星において見慣れない動植物や環境の中を恐る恐る歩くという体験という点では非常に酷似していますし、陸上か水中かという違いこそあれど、これは触っていい物だろうか とか あれは攻撃してくるやつなんじゃないか とか、そんな感じのこわごわと手探りしながら探索していく感覚はほぼ同一な体験と言えそうです。
ありがちといえばありがちですけれども、アイテムの発見で行動範囲が広がり、新しい探索エリアに踏み込むという手続きも同じですし。
で、異星人が遺した遺跡やそれらのオーバーテクノロジーだとか、原生生物による脅威だったりとか、ウィルス的な存在だとか色々。
地球を飛び出した世界で語られるSFの設定として、ある程度にたようなものになるのは避けられはしないとは思いますが、ここまで材料が共通していても、調理の仕方や味付けの方法が違えば違う作品にはなるわけですよね。
戦闘は消極的に。
マインクラフトだとダイヤのソードでゾンビをぺちぺちと殴りながら比較的プレイヤーが戦闘に対して積極的になるシーンも少なくないとは思いますし(銃Modとかもありますしね)上の項目であげたメトロイドプライムなんてFPSでシューティングなんで戦闘がメインだったりするわけですが、その辺はこのSubnauticaは全然違うんですよね。
武器といえる武器はサバイバルナイフ系と、他には魚雷関係ですかね。
あとプラウンスーツのドリルとか…。
まぁ戦闘を強いられる事ってないんですよね、実際のところは。
野生の熊やサメみたいなもので、見かけたらそっと静かに遠回り、刺激しないようにその場から人間が離れれば穏便に済むというような設計になっています。
まぁそれでも中型の敵性生物は結構切りつけて追い払ったりはしますけれども。
Subnauticaにおいて戦闘するべきか回避するべきかを慎重に検討するべき存在はリヴァイアサンですよね。
リヴァイアサンという巨大な水棲生物が存在します。
基本的には惑星の食物連鎖の上部に位置する肉食動物だったりします。
これらは割と見かける連中です。
とあるデータによるとリーパーリヴァイアサンはゲーム中で20数匹ほど確認されているようです。
泳ぎが速くて逃げようとすると簡単に追いつかれてしまう上に、攻撃力も強く、ライフ8割以下即死攻撃なんてのもあったりしますが、対処方法を身につけてしまえばなんてことはなかったりします。
人類の英知を誇りましょう(笑
しかしまぁ、その対処法が身につくまでは潜水艇や潜水艦を沈められたりして苦汁をなめさせられたりとかするんですよね。
しかもその沈められた潜水艦の残骸といえばいつまでもフィールド上に残ってたりするし…。
…と、ここまで「こいつらは危ないので関わらない方がいいよ」的な書き方をしてきてますが、ゲーム的にはやっぱり邪魔にかわりないですし、見かけたから都度迂回なんて事は時間的コスト、はっきりいって手間でしかないので、頑張って倒す事も出来たりします。
このエコメッセージの強い作品において生態系を破壊する可能性がある狩りというのはまったくロマンチックではないのですが、ゲームだし!ということで(笑
というわけで、このゲーム、水深1000mを超えるあたりを探索する頃には雰囲気に慣れてきて、恐れるべきリヴァイアサンに対する恐怖感も和らいできたりとかするんですが、それでもやっぱりゾクゾクという鳥肌感は最後まで残りましたね。
で、リヴァイアサンを始末出来るほど強まったプレイヤーでもやっぱり敵わないのは、酸素切れだったり水分補給栄養補給だったりするわけです。
生態系の頂点に君臨できる力、凶暴性を身につけたとしても酸欠になれば簡単に死んでしまうわけです。
海洋ホラーというジャンル。
本能的に怖い。
ミナヅキは海辺育ちで割と夏休みなんかは漁港の脇に泳ぎに行ったりしていたので、このゲームも抵抗なく始められたのですが、レビューの中には
僕はこのゲームを始めたときの最初の5分を決して忘れないであろう
暗い夜の未知の星の海へ潜ろうとする瞬間
何が住んでいるのかも、周りに何があるのかも、自分が置かれている状況も
何もかもわからない恐怖
この根源的な恐怖がこのゲームのテーマなんじゃないかと勝手に思ってる
Steam Community :: Merc-Hermes :: Review for Subnautica僕はこのゲームを始めたときの最初の5分を決して忘れないであろう 暗い夜の未知の星の海へ潜ろうとする瞬間 何が住んでいるのかも、周りに何があるのかも、自分が置かれている状況も 何もかもわからない恐怖 この根源的な恐怖がこのゲームのテーマなんじゃないかと勝手に思ってる むろん最初の五分が面白さのピークと言うわけではない 進...
何に恐怖を感じるかは人それぞれとは思いますが
未知の闇を切り開く勇気を持たない方はやらない方が無難だと思われます。
先日、遊びにきてた友人にプレイさせたところ・・・
「最初のエリアと他のエリア境界線を越えた先にある全てが怖い」
と、プレイを中断して投げてしまいました。
Steam Community :: manimani :: Review for Subnauticaゲームにどれだけのリアルを持ち込むか? 多すぎると窮屈になり、少なすぎると大味になります。 その線引きの部分が絶妙であるが故にSubnauticaは素晴らしいゲームであると。 その点がおすすめ出来る理由の一つと言えます。 ゲームの流れとしては 惑星間航行が可能になった未来に 謎のビーム攻撃により母艦である星間船が撃墜さ...
なんていうものもあったりして、その未知の世界を探索する好奇心と恐怖感のバランスが非常にとれている作品なんだなといった印象でした。
あの、リヴァイアサンが遠方で泳いでるときの「うわっ」というような恐怖とリヴァイアサンが近くに居そうだという恐怖、同じリヴァイアサンに由来する恐怖でも「見える恐怖」と「見えない恐怖」でまったく質が違うんですよね。
個人的に後者の、見えない恐怖のほうがよほど大きいように感じます。
恐怖というか緊張感といいますか。
深く潜っていくと徐々に海中に射し込んでいた日の光が届かなくなっていきます。
まずこれが怖い(笑
日の光が届かなくなり、周囲が暗くなると同時に砂や小魚の群れなんかでライトが反射して結構視界が遮られたりするんですよね。
視程距離が落ちる事による恐怖感もあったりします。
潜水艦や潜水艇のアップグレード機能にソナーがあるので、それを利用するとワイヤーフレームで視程の外まで視覚化されます。
ただし1度につき電力1%を消費するので航続時間に影響があったりします。
この辺のバランスもよく考えられていますよね。
音が怖い。
本作のBGMはアトモスフィア系の低くて重いシンセの音が効果的に使われていて、底深い海の中で渦巻くうねりを想像させるのに一役買っています。
音質の良いスピーカーやヘッドフォンで大きめな音量でプレイするのがおすすめです。
あとBGMに限らず、生物の鳴き声だったり、潜水艦にぶつかる魚の群れの音やがれきか何かのガンゴンとした響く音など、航行中に「なんだ!なんの音だ!」と船外カメラで探し回ったりする事が度々あったりします。
ちょっとした物音にナーバスになるくらい、緊迫感があるんですよね。
建築要素。
自分だけの秘密基地!
割と最初の方でも書いたのですが、このゲーム、1m四方の四角いブロックを積み上げて建物を構成するわけではなく、あらかじめ決められた形状の通路や部屋のパーツを組み合わせて建設を進めていきます。
パーツ毎につながる条件や設置するための条件なんかもあったりしますが、慣れてくれば割と簡単に建設できるのでマインクラフトのように1mずれていたので壁作り直し…とかいうような事はありません。
で、様々なコンポーネントを組み合わせていくとこんな感じになります。
このあとに画像左側に4階建ての大型水槽を設置したりもしましたが、基本的な機能はこの形の基地でまかなっていました。
本館1Fが資材庫、作業部屋で、奥にバイオリアクター発電機、水精製器があって、そこから2連ムーンプールにつながっています。
本館2Fが食料用畑、本館3Fが観賞用お花畑と展望デッキ。
本館4Fが海面に出ていて机やベッドがある自室になっていました。
1F入り口前にはなんとなく水中ガーデニング用の畑を設置していました。
まさか最後の最後に役に立つとは思わなかった…。
マインクラフトと大きく違うなという印象だったのは、設置物は基本的にすべてそこそこの機能性があるものであり、イスやベッドにも意味があり、単純な装飾用ではなかったという部分は嬉しく感じました。
マイクラやってたときは階段を横に設置してソファーですーとか柵に感圧スイッチおいてテーブルですーみたいな雰囲気的な感じの配置をしたりとかしてたわけですが、本作ではイスはちゃんとイス、ゴミ箱はちゃんとゴミ箱、自動販売機はちゃんと自動販売機だったりするわけです。
室内用の床置き水槽もちゃんと魚飼えますしね。
自分だけの巨大潜水艦!
本作では移動手段としていくつかのアイテムが出てきたりしますが、その最もたるものがサイクロプスという潜水艦です。
ゲーム後半では移動拠点として活躍する乗り物になります。
と、サイクロプス内はある程度自由に設備を配置したりロッカーを設置したり出来るので、この辺も建築要素に近い部分ではないでしょうか。
ちなみにこのゲームのイス、座っている間は空腹度と水分量が減らないので、バッテリーの充電待ちだったり、端末でデータベースを読んだりするときに重宝します。
ベッドのほうは、夜に寝ると朝になるという優れもので、夜の海中の探索が難しい海域や視程が低くて危険性があるときなんかにはパッと寝てしまうのが最も簡単な対処法だったりします。
暗い中の探索は効率も悪くなりますからね。
このサイクロプスという潜水艦、多機能な割には案外紙装甲なものでリヴァイアサンクラスに狙われたら簡単に沈みます。
ではどうするか?というと逃げるに限ります(笑
資材があれば割と簡単に建造は出来るのですが、中に保管していたアイテムなどの回収が結構面倒なのであまり変な海域で沈めたりすると大変なんですよね。
なので、運用としては、安全な海域を選んで航行するか、四周警戒を厳としてあらゆる兆候の発見に努め、兆候発見の際には可能な限り回避行動をとる…というつもりで安全第一の航海が無難だと思います。
逆に言えば、脆弱なサイクロプスを守るためにリヴァイアサンを狩ってまわるというのも選択肢の一つで、ミナヅキは結果的にそうする事になりましたが…。
ソナーがあると早期探知しやすいです。
あの、極個人的なサイクロプスの印象をいうと
「マイクラのArchimedes’ Ship Modでキャンピングカーならぬ移動拠点で旅をしたい」
みたいな想像を具現化させたようなものでした。
(艦内にベッドが設置出来ると気づいたときには真っ先に自室つくりましたもんね…。
トラック的にいうとこれですよね!(熱弁
…とまぁ脱線しましたが、冒険心をくすぐる仕掛けがたくさん盛り込まれたゲームだと言えます。
ストーリー面。
大まかなあらすじは一番最初に書きましたが、その後調査が進むと救難信号を受信して立ち寄った宇宙船をみることになったり、異星人が遺した遺跡を巡ったり、先住者が遺した基地廃墟を巡ったりすることになるわけですが、そういった部分をみても大分練り込まれていると思うのですよね。
ただ主人公が右往左往させられる理由になったのは何かしらの悪意が原因になっているわけではなく、むしろ善意によるものというか、憎むべき相手の居ないストーリーだったりします。
まぁ攻撃的なリヴァイアサンとかに個人的な恨み辛みがある人はいるかもしれませんが(笑
そしてこの惑星の不可解なことに気づいていた先住者がたどり着けなかった深いところまで潜っていくことになります。
潜水艦と耐圧スーツという技術を駆使しながら。
そしてこの惑星を脱出するための手筈が整った主人公はロケットに乗り込みなんとか生還を果たします。
感想。
上でホラーと散々書きましたが、良質な風景ゲーです。
とにかくどこに目を向けても圧倒的な光景が広がるばかりで、バイオームごとの違いや地形の作り込みに妙に説得力があるんですよね。
雰囲気がいいゲームです。
だからこそ、底の見えない海の中で恐怖感を感じたり出来るのかもしれませんが。
で、こうやって記事にしてみようとした段階で気づいたのですが、思った以上にスクリーンショットが少ないんですよね。
多分ゲームに夢中になってたとか、風景にみとれてばかりいたとかそういう感じなのかもしれませんが。
(スクリーンショットフォルダの大半がリヴァイアサン退治したときのものばっかりっていう…
ゲーム内で不満と言ったら壁掛けロッカーの収納容量が小さいという点くらいで、あとは不満らしい不満はなかったように思います。
サイクロプスの絶妙な弱さも終わってみればバランスいいなと思いますし。
あれが頑丈すぎたら怖い物って本当になくなりますからね。
それにあの微妙な操縦性の悪さ、視界の悪さも快適さと操作難度に対する成功体験みたいなものとのバランスがとれているように感じられます。
プラウンスーツの視界もそうなんですけど、死角の作り方が上手いなって思うんですよね。
見えないところに対する恐怖感みたいなものってどうしても残るので、その扱いが上手だなぁと。
ほんとにこう、ホラーゲーにありがちな、敵対生物による突発的な脅かし方ではなく、深層心理に刻まれた恐怖感を感じさせるようなジワジワとした息苦しさの続くような怖さでなりたっているという、非常に興味深いテーマだとも思えます。
海中みて「うわ深…」と思ったのは海中列島のあたりですかね。
あの辺いくと深度250とか300とか普通にあって、スキャナルームからカメラドローンで潜っても全然底が見えないんですよね。
あの縦に空いた海溝とそこに浮く海中の島が織りなす空間はこのゲームの中でも特に深さを感じた部分でした。
数字的な深度で行けば最終的には最大1500mくらいまで潜ったりするんですけども、まだ序盤のうちに興味本位で行ける範囲で、海面からまっすぐ潜っていけるバイオームとしてはこの辺の妙な深さと暗さが深淵に続くような感覚すら感じさせられて非常に印象深かったです。
ロストリバー方面は深いには深いけれども、斜めに降りていくじゃないですか。割と開けていて。まだ斜め下を見ながらの潜水になるので位置や距離感の把握がしやすいんですけど、本当に真下に降りていくときの足下の見え無さ具合ってやっぱりどこか不安になるんですよね。
このゲーム、本当に戦闘する必要がなく、ボスなんていうものもおらず、ただ連中の縄張りを横切る必要があるために襲われたり反撃したりという応酬が発生する程度なので、戦闘しようっていう意気込みが強い人としては不満があるかもしれません。
まあだからこそステイシスライフルでハメ殺すという方法も故意に残されているのかもしれませんが。
イオンパワーセル作ってしまえばある意味サイクロプスの電力には余裕ありまくるのでシールド張って無敵状態で逃げ切ることも簡単になりますし、そこまで進んでたらもうエンディングはすぐそこだったりするんですよね。
でもあの無敵感はちょっと爽快感がありましたね…それまで簡単に沈みうる状況だっただけに。
さて、最終シーンに関しては便利な技術でロケットを建造し、打ち上げへと至るわけですが、打ち上げに必要な操作、おそらくゲーム的にはまったく必要ない演出のための操作になるんですが、ここものすっごいテンション上がりましたね。
操作一つ毎に、この惑星から脱出出来るんだ!自分の星へ帰れるんだ!という期待が高まっていくのを感じずにはいられないんですよね。
あれはものすごくいい演出だったと感じます。
よくみるとロケットの下のフロアのほうには組み込み済みのロッカーがあったりして、箱一杯にダイヤモンドを詰めていくことも出来るようになってます。
てっきり、そのままえたいのしれない惑星に再び不時着してしまう可能性があるから器材資材詰めて行けという伏線かと疑ってしまったりもしましたが、まったくそんなこともなくエンドロールになりました。めでたしめでたし。
ロケットにはタイムカプセルを射出する機能が備わっており、プレイ中に3本ほど回収しましたが、6スロット分のアイテム枠とスクリーンショット、あと200文字程度のメッセージを記録して惑星に残していける仕様になっています。
これはネットワークを通じて運営の審査がなされ、問題なければ他のプレイヤーのマップに配達されるっぽいです。
正直、このタイムカプセルの文面を考えていたときに、ふとこの惑星で過ごした作中時間150日程度を振り返ってしまい、感慨にふけるとともに、たとえ仮の住まいだったとしてもそこは自分の安息があった場所であり、その基地から去り二度と戻ることはないであろうという事実にちょっとしたものさみしさを感じてしまいました。
一人暮らししたアパートを引き払うときに感じるあれと似たようなものです。
主の居なくなった基地はそのまま朽ちていくことでしょう。
もう宇宙船が不時着するようなことはないだろうし、次に基地が誰かに発見されるのは、この惑星が開拓されるときだろうと。
独りで生き抜いたという事実と、それを支えた急ごしらえの基地だけはその星に残りました。
地球で暮らす我々にしてみれば海という場所は「生命の起源、母なる海」とされますが、この惑星の海は地球人が生まれた海からは遙か遠い惑星の海です。
そんな場所で独りなんとか生き延びながら暮らすだなんて、想像を絶する困難となるでしょう。
主人公はおそらく生きることに夢中だったからこそ、正気を保っていられたのかもしれません。
これもしっかりと訓練された人間だったからなのかもしれませんが…。
そういった細かいところまで想像させてくれる非常に楽しいゲームでした。
Steamで製品版を購入しても2500円少々と、内容からみても破格な作品と断言出来るでしょう。
こんなにいいトリップが出来る作品はなかなかないと思います。
やっている最中は怖さと緊張感に包まれ続けますが、終わってみればなぜだか暖かく優しいような気分にさせられます。
不思議ですねぇ。
記憶を消してプレイしたい